お知らせ
豊島岡女子学園のSTEM教育の一貫
「理科・数学を英語で学ぶ」の夏期講習を行いました。
期間:8月23日~27日
対象:中学3年 65名
内容:数学、理科、英語 各30分
数学は算数、数学の英語での表し方を学習しながら問題を解き、後半では現在の中学3年の内容を学習しました。
理科は簡単な実験をして、Problem, Hypotheses, Materials, Procedures, Conclusion, Resultsを、ポスターに表して英語で発表しました。
英語クラスは紹介の仕方と、サイエンス発表会の時に発表者に質問することという課題があり、その質問作りを中心に行いました。
我々の課題は、生徒さんの知的レベルと英語レベルの一致をどうするかということでした。
言わずと知れた名門進学校。数学のレベルはかなり高いはずなので、算数、数学の用語を英語で知ったとしても「それで? 小学生レベルの問題なので算数的には学ぶものがありません」といったことにならないだろうか。しかし算数の言葉も英語で知ってもらう必要がある。算数や理科としても興味を持ってもらい、そしてもちろん英語自体も興味を持ってもらえるように授業を組み立てなければならないという困難な課題でした。
講習後のアンケートでは、65名中35名の生徒さんが次回も参加したいと回答され、28名が時間があえば参加したいと答えてくださいました。
この講習の様子は、SAPIXさんの進学情報誌『さぴあ』で取材され、11月号に掲載されます。
授業内容
理科はプレゼンテーションが目的でしたので、理科の考え方を伝え、英語表現を教え、ポスターを仕上げてもらい、プレゼンテーションまで5日間で終えました。もちろん全て英語です。
通常よりも短期間でのプレゼンテーション実施となりましたので、スタート前から綿密に準備をして、ネットで実験を見てもらうなど予備知識を持ってもらってからスタートしました。
英語は、豊島岡では普段英会話のクラスをはじめ3種類もの違った形態の英語クラスがあり、中学3年生に今さら紹介の仕方を教えても興味が湧かないはずなので、違った角度から授業をすることにしました。
算数は、英語の用語を入れていくだけではなく、欧米特有の算数の解き方も教え、算数としても興味を持ってもらえるよう工夫しました。後半には中学3年生の数学の問題を解いてもらいました。英語で習う数学の授業に大満足の様子で、授業後には質問のための列ができたほどでした。
算数
1+1=2
1.Read the equation.
大体の生徒がReadと言われて何をしたらいいのか戸惑っていました。
2.The answer is 2. How do you solve?one plus one と答えるので、plus はsignでverb ではないと伝えました。
3.そして、I added 1 to 1.と教え、最後にこのequationは additionと伝えました。
この質問パターンで引き算、割り算、掛け算、分数式と教えていきました。
足し算をする中で、「何を言っているのか?」「今何をするのか?」「英語でなんと言えばいいのか?」と考える。この時間がSTEM――算数を英語でやる意義だと思います。英語の用語だけ教えて計算させても意味がありません。
考えさせてこそSTEM教育だと思います。
理科
理科はクラスの中で同じ実験が被らないようにしてあるので、他人と協力はできません。また簡単な実験でもうまくいくとはかぎらず、完全に個人の責任で進めていかなければなりません。
例えば、陽光、自然光が必要なのに発表当日は曇りだという天気予報。
どうしたらいいかを教員と英語で話して解決しなければなりません。その場で相手にわかってもらえる表現を使うことで、伝えるための英語という意識ができたと思います。
英語
英語クラスでは、まず何かの紹介をさせて、「よいプレゼンテーションとは?」と尋ねます。すると「アイコンタクト、スマイル」など習ったことが返ってきますが、「態度ではなく、内容で大事なことは?」と尋ねると答えが出ませんでした。「記憶に残せるような言葉の選択」「具体的なイメージがわくような表現」を考えて学習してもらいました。
結果
見事に!優秀でした!!(見事に!「できました」を超えたものでした!)
- 生徒自身が、今回の英語学習の目標を自分で決めて臨んだこと。
- プレゼンテーションまでに何をどこまでするのか、時間配分をどうするかなど、マネージメントができたこと。
- 英語に関する興味や関心と、初めて英語で習う算数や理科から何を得るべきかを分けて考えられたこと。
など授業者の予想を遥かに超える優秀さでした。
この自立した態度は今まで見たことのないもので、学習への意欲はインター生とも違うものでした。
頼もしや、豊島岡女子学園の生徒さん。
先生方に授業後質問に行く生徒さんが多いのにもびっくりしました。明るくて清潔な印象の校内と、笑い声が印象的でした。